現在、歯科医療で使用されているレーザーは4種類存在します。その中でも、むし歯治療に使用出来るのは『エルビウムヤグレーザー』だけです。唯一、歯を削ることが認可されたレーザーで、水を併用するので痛みの発生が最も少ないレーザーとして評価されています。また、生体組織の水分に対する反応が高く、発熱が少ないので、表面が黒く焦げるなど周囲の組織への影響がほとんどない為、安全性の高いレーザー装置と言われています。治療時はむし歯の部分だけを取り除くことが可能なため、健全な部分を多く残すことができます。
痛みが少なく、不快な音や振動がせず静かで、多くの場合麻酔が不要といった点から、もっとも人にやさしいといわれているのがエルビウムヤグレーザーです。
また、むし歯治療のほか、歯周病治療・予防、歯石除去・知覚過敏、歯茎の色素沈着除去、歯肉の切開・切除、口内炎・口角炎、傷口の殺菌などにも使用できます。
当院でも安全性と患者様の負担軽減を考慮し、エルビウムヤグレーザーを導入しております。
Er:YAGレーザーの5つの特徴
1痛みの少ない歯周病治療が可能
エルビウムヤグレーザーは、従来のレーザーと比べて非常に痛みの小さい治療が可能です。
その理由は、水によく吸収されやすいという性質にあります。エルビウムヤグレーザーは、照射した組織表面の水分に反応して蒸散するため、表面にのみ作用し、発熱が微小に抑えられます。また、先端から水を噴きつけて患部を冷却しながら治療を行うため、より安全性が高くなります。
痛みが小さいことから、多くの場合、注射による麻酔も必要ありません。
2身体組織への負担の少ない歯周病治療が可能
エルビウムヤグレーザーでは、歯や骨が熱変性を起こしたり、表面に黒焦げが起こったりする心配がほとんどありません。これは、照射範囲が狭く、蒸散という反応も照射部の表面でのみ作用するからです。
照射した部位の周囲や組織深部への熱作用が非常に小さく済むため、エルビウムヤグレーザーを使用すると、からだへの負担の少ない歯周病治療が可能です。
3歯周病などの治癒が早い
レーザーの熱には殺菌効果があるため、細菌を原因とするむし歯、歯周病、根管治療に効果的です。また治癒を促進する効果もあり、歯肉の切開にレーザーを使用すると短期間できれいに治ります。
4歯を最大限に残すことが可能
水への吸収性が高いエルビウムヤグレーザーは、軟組織のみならず、歯や骨、歯石といった硬組織の治療にも使うことができます。
歯科治療で使用できるレーザーは数種類ありますが、硬組織にも使用可能なのはエルビウムヤグレーザーだけです。
また、その特徴から歯を最大限残すことが可能です。
5ストレスの少ない歯周病治療が可能
ドリルで歯を削るときには不快な振動や音がしますが、エルビウムヤグレーザーならそのような不快感がなく、ストレスの少ない歯周病治療が可能になりました。
エルビウムヤグレーザーの歯周病への5つの効果
歯周ポケットの内部にできてしまった歯石を痛みや不快感なく除去可能です。レーザー治療で歯石を除去できるのはエルビウムヤグレーザーだけです。
歯周病の原因である歯周ポケット内の歯周病菌などを殺菌、そして除去することが可能です。菌を減らすことで、治りが早くなり、歯肉は健康になっていきます。
エンドトキシン(内毒素)とは、細菌の細胞壁に含まれる毒物のことです。
細菌を物理的に取り除いても歯の根の表面や歯肉には毒が残ってしまいますが、エルビウムヤグレーザーで歯周病菌を殺菌すれば、エンドトキシンの無毒化も同時に行うことができます。
バイオフィルムとは細菌同士が集まってへばりついているもののことです。簡単には洗い流すことができず、新たな細菌を次々と巻き込んでいくものですが、エルビウムヤグレーザーを使用することで、集まった細菌を破壊することが可能です。
不良肉芽とは歯周病菌に感染した歯肉のことを指します。放っておくと口臭や膿の原因となり、さらには骨の破壊を引き起こすこともあります。
歯周病治療では状況に応じてこの不良肉芽を切除し、正常な状態へと近づけます。その際、歯肉の切除をエルビウムヤグレーザーで行えば、周囲の組織へのダメージも小さく、また治癒促進効果によって傷の治りが早いため、審美的にも優れた仕上がりになります。